4月1日、ついに長崎展が始まりました(^o^)/
オープン当日の長崎県美術館。
右の方に、「藤城清治展」の文字が見えています♪
テープカットの瞬間!
ライトブラウンのジャケットが藤城先生です。
退院後、初めての公けの場での先生。
お元気そうで、本当になによりです(*^o^*)
展示会場内には、長崎にちなんだ作品がいくつも飾られています。
これは「鍋冠山から稲佐山をながめて」。
「軍艦島」。
「長崎山王神社の一本足鳥居と生き続ける大クス」。
そして最新作「紅毛本国船之図」。
色を抑えてほとんどモノトーンで描かれ、
緻密な船や波の描写と大胆でドラマチックな空との対比が、圧倒的!
ぜひ画像の右下をクリックして、拡大して見てください。
ここからしばらくは、以前にもご紹介した、病室での制作風景です。
完成作品と見比べてみると非常に興味深いものがあります。
まずは船体部分。
緻密な影絵は緻密な下絵からしか生まれないというごく当たり前のことを、
あらためて実感させられるショットです。
マストと帆の部分。
ビシッとして一寸の揺るぎもない線の数々に、緊張感がみなぎっています。
(作品が見やすいよう、あえて画像を逆さまに掲載してあります)
当初ははっきりしなかったのですが、
これはやはり波の部分だったんですね。
なめらかで、けれど力強さに満ちた曲線のリフレインが、とても美しいです。
船乗りか曲芸師かと迷ったこの猫、
答えは船乗りでしかも曲芸師でした(笑)
マストのてっぺんにいるこびと。
作品中では小さな存在ですが、
もしこのこびとが描かれていなかったら、
「紅毛本国船之図」は決して完成作として僕たちの眼に映ることはなかったでしょう。
見た目は”こびと”でも、
彼の存在は”巨人”なのです。
こちらは病室内にあった、先生が参考にしたと思われる版画の画像。
今回、その版画がどのようなものか、はっきりと判りました。
タイトルは、同じく「紅毛本国船之図」。
つい最近発見された、最古の長崎版画だそうです。
今年3月1日付けの産経新聞の記事に、この版画の詳しいことが書かれています。
亜季さんのブログによれば、
読売新聞の2月28日の夕刊の記事で船の版画を見つけた先生と一緒に、
国際古書市へその版画を買いに行ったとあり、
それが「国際稀覯本フェア」であり、
「紅毛本国船之図」版画だったのではないでしょうか。
たしかに、これほど長崎展にふさわしいタイムリーな題材はありません。
元の版画の雰囲気を残しながらも見事に描き切られた藤城ワールド!
鋭い着眼点と旺盛な創作意欲がひしひしと感じられる、
いかにも先生らしい作品ですね。
ちなみに、”読売新聞の2月28日の夕刊の記事”を探してみたところ、
記事そのものは残っていませんでしたが、
検索結果一覧でかろうじてその一部を読むことができました。
・・・藤城先生の気概と気迫を感じさせる「紅毛本国船之図」、
とても病室で制作されたとは思えません。
これを見るためだけでも、長崎展へ行く価値は充分あります!!
僕も行きたいです~(涙)
なお末筆ながら、
この長崎展オープンの画像は、
はーちゃんから教えていただいた動画を元に作成させていただきました。
いつも本当にどうもありがとうございますm(_ _)m
◆テレビ長崎
:藤城清治展 長崎ゆかりの作品も(動画です!)
◆産経フォト
:2015.3.1のニュース 最古級の長崎版画の作品 18世紀、オランダ船の図
◆光の散歩 清治 亜季 影のおしゃべり
:国際古書市へ…