秋も深まり、ますます夕日の美しい時節。
そこで今回は、夕暮れの作品を集めてみました。
藤城先生の描く秋を、どうかじっくりご覧になってみてください(^_-)-☆
(画像の右下をクリックすると、拡大できます)
「夕日とすすき」。
画集などでもほとんど見かけない、影絵展でももちろん見たことのない作品です。
夕日を見つめる少年は思い出の中の藤城先生ご自身なのかな?と、
この作品を見るたびに想います。
こちらも、とても珍しいもの。
この画像はオークションに出品されていた色紙なのですが、
やはりほかで見たことがなく、タイトルも不明(>_<)
でも長く伸びた影法師が強く印象に残る叙情的な内容で、
赤とんぼよりもからす達がメインというのも、この作品だけの特徴です。
「赤とんぼ」。
有名な同名曲の、
「夕焼小焼の 赤とんぼ 負われて見たのは いつの日か」
の歌詞にちなんで描かれています。
(「負われて」はおんぶされての意味です)
同じく「赤とんぼ」。
先の作品のあとに描かれたもので、こちらでは、
「山の畑の 桑の実を 小籠(こかご)に摘んだは まぼろしか」と、
「夕焼小焼の 赤とんぼ とまっているよ 竿の先」
の部分の歌詞が作品化されているようです。
二度に渡って作られたということは、
先生にはこの歌への強い思い入れがおありなのかも!?
「夕焼けの赤とんぼ」。
これも郷愁をそそる作品ですが、
上の4点と比べるとメルヘンの要素が強くなってきています。
人物の雰囲気がこれまでのものとはなんだか違って、
夢の中に現れる幻のよう。
先生の見た白日夢でしょうか。
「夕焼けの幻想」は、
これまでの作品と同じく純和風のように見えますが、
実はこの燃え盛る馬車に乗るのはギリシャ神話のアポロン、太陽の神です。
いわば和洋折衷なのにもかかわらず、違和感をいっさい抱かせませんね(^_^)
「影ふみ」は、
なつかしさを覚える内容ですがでも憂いはなく、
ひたすら無邪気なメルヘンの世界(*^_^*)
同じ影法師でも、こちらは屈託がありません♪
「秋がとぶ」は、うってかわって心象風景。
しかも郷愁以上に切なさが、痛いほどに伝わってきます。
ここまでストレートに感情が表現された作品は、あまり見かけません。
上の作品がリメイクされてできあがったのが、「秋のうた」。
少年がこびとに描き替えられ、木も2本になったことで、
切なさが影をひそめ、代わりにメルヘン色が濃くなりました。
全体の印象がやわらかくなりましたね。
先生が"メルヘン"のさじ加減を変えた、分かりやすい例の1つです。
「夕暮れの歌」も、比較的ストレートな感情を表した作品ではないでしょうか。
古びた蓄音機の音色が聞こえてきそうな、ノスタルジックな世界です。
「夕日の樹」は、
同じ樹の真夜中の様子を描いた「夢見る樹」と対になったもの。
郷愁をそそりながらも、ここではおだやかな時間が流れています。
「白樺湖の四季」より、秋のパート。
コスモスも咲き乱れ、秋の夕暮れでありながらもなんとも華やか♪
一方こちらは、にぎやかな秋!
「紅葉と猫のシンフォニー」です(=^・^=)
猫たち、夕日を見る暇もないくらい真剣です(^_^;)
「秋の音楽」は珍しくオレンジ色が淡いですが、
でもしっかりと夕暮れのひんやりとした空気感は伝わってきます(^_^)v
以前は新宿の「楡」にあった作品ですが、
今はお蔵入り中で原画を見ることはできません(涙)
こちらは唯一のモノクロ。
なのに夕暮れと一目で分かるところがすごい。
寄り添う二本の木の間にブランコという構図が似ているので、
「秋の音楽」はこの作品がルーツなのかもしれません。
タイトルは「夕暮れのブランコ」ですが、
実は映画「夕やけ小やけの赤とんぼ」のタイトルバックに映し出されていたもの。
この映画には、
なんと「赤とんぼ」の作曲者、山田耕筰氏が出演していらっしゃいました!
そんな稀な映画にたずさわった経験がおありなので、
先生は「赤とんぼ」の歌に対する思い入れが強いのかも!?
カルピスの四季の連作の中から、「秋の少女」。
ほかにもう一人「銀河の少女」もいるので、五人姉妹です(^_-)-☆
水玉模様が大胆な色ですが、
でも夕暮れの彩りの中に見事に溶け込んでいます(^_^)v
「いい日旅立ち」は、昭和のヒット曲。
JRのCMソングでした。
ということは、
この大人びいた女性は山口百恵さん??
なお銀河鉄道のように弧を描くのは、SLではなく電車。
すごく珍しいです(@_@)♪
高知市総合あんしんセンターに常設されている作品。
高知県なので夏の作品かと思いましたが、
水平線上の太陽が歪んで"だるま"のようになって見える現象は、
むしろ寒い季節に多いのだそうです。
このセンターのすごいところは、
水鏡ではなく、真っ黒な床に作品が映えていること!
偶然なのかもしれませんが、画像だけでも感動してしまいます(^o^)
同じく高知から、「南国土佐賛歌」(部分)。
全長24mの大作の一部です。
イラスト作品として最大というだけでなく、
影絵と比べても引けを取らない圧倒的な力作!!
いつかぜひ実物を拝見してみたいです(♡_♡)
その中にも”だるま夕日"。
ダイナミックかつ力がみなぎっています(*^o^*)
「光彩陸離」より、秋の場面。
息を呑み言葉を失うほどの美しさは、
もはや説明不要ですね。
何度見ても、どれだけ見ていても、
決し見飽きることなどありません。
生田原に連泊して、何日も通い詰めてみたい!!!
最後は冬の作品。
「冬麗 竈猫(ふゆうらら かまどねこ)」は、去年家庭画報に掲載されました。
小春日和の一日が終わろうとするおだやかな夕暮れ。
豊かな時間が目に見えるような、平和な思いに満たされる作品です。
・・・夕暮れの作品はまだまだたくさんあって、
実は今回ご紹介できたのは半分足らず(^_^;)
こんなにも多いのは、
夕暮れは光と影が際立つ一番美しいひとときだからでしょうか。
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