散々遅れてしまい、申し訳ありません。
おかげさまでようやくインフルエンザから快復しましたので、
頑張って最終回を仕上げてまいります。
(全ての画像は、右下をクリックすると拡大できます)
<福岡県>
◆関門橋の下の枕潮閣(ちんちょうかく)
本州からいよいよ九州へ。
関門海峡の絶景を望む枕潮閣のスケッチは、
今回のスタートにふさわしい1枚です。
明治33年創業のフグ料理の老舗って、いかにもグルメな藤城先生らしい場所ですね♪
◆幸せを祈るメロディ
去年の大阪展で発表された新作ですが、
よく見ると背景の海と建物は、福岡を題材にした作品「夕日に輝く百道のタワー」。
メルヘンな作品の背景が実際に存在する景色という珍しいものです。
きっと先生は、よほど福岡の夕暮れの海をお気に召されたのでしょう(^_^)
◆福岡タワーからの眺め1
上の「百道のタワー」である福岡タワーからの眺め。
中央下に斜めにのびる黒い部分は、タワー自身のシルエットです。
◆福岡タワーからの眺め2
絶景が続きます。
遠景を描いた上の部分からだんだん下の方へと目を移してゆくと、
ほら、なんだか足がすくむような気がしませんか?!(@@)
先生のすぐれた遠近表現が醸し出す”藤城マジック”です(^_^)v
◆福岡城跡・祈念櫓(きねんやぐら)
福岡城跡と遠くに見える福岡の街並み。
先生が好んで描かれる新旧のコントラストの世界です。
左右に分かれた新旧の世界は対立するのではなく調和し、
そこから生まれるおだやかさが、この作品の味わいにつながっています。
なお祈念櫓は、お城の鬼門封じのために建てられたものだそうです。
<長崎県>
◆龍踊り(じゃおどり)
2009年の影絵展に際して、会場エントランス用に制作されました。
龍踊りは有名な長崎くんちで行なわれる奉納踊の1つで、
藤城先生の作品でも非常に力強く龍が描かれています。
が、力強くても、生きているものには見えないようにちゃんと描かれていて、
先生の表現力の奥深さを感じさせます。
いったいどこをどうすれば、こんなに絶妙に描き分けることができるのでしょう??
◆大浦天主堂
非常に緻密に描かれた、スケッチの傑作。
渾身の1枚と言っていいのではないでしょうか。
写実に徹した作品でありながら、
その写実の中からこの教会に対する先生の深い想いが伝わってきます。
ここからの何枚かは、長崎県各地に点在する教会や名所のスケッチです。
藤城先生は同県内を驚くほど多くのスケッチを行なっていらっしゃいますが、
ご紹介するのはそのほんの一部になります。
◆頭ヶ島教会
日本では数少ない石造りの教会。
先生は遠方から描くことにより、
その重厚さよりも、むしろ周囲の自然と調和するおだやかさに重きを置いて、
さらりと描いていらっしゃるように見受けられます。
◆旧五輪教会
入江に面した美しいたたずまい。
漁港の見える日本的な風景の中にこの教会が違和感なく存在していることに、
不思議なエキゾチシズムを感じますが、
その違和感が無くなるために必要だった年月の長さと人々の苦難を思うと、
この美しさの持つ深い意味を噛みしめずにはいられません。
◆青砂ヶ浦教会
先生のお好きなレンガ造りの建物です。
そのためもあってか、このスケッチでは”教会のある風景”ではなく、
グッと迫って教会そのものを描写してあり、
歴史ある建築物独特の風格が伝わってきます。
◆堂崎教会
江戸時代以来の禁教令が廃止されて初めて五島列島に建てられた教会で、
非常に歴史のある建物です。
藤城先生は意外にもこの教会を斜め後ろから描いており、
この建物の新たな魅力を引き出していらっしゃいます。
◆眼鏡橋
言わずと知れた長崎市内の名所。
ファンの方の中には、この作品を思い出す方も多いのでは?
実物は昇仙峡影絵の森美術館にあります(^_-)-☆
◆グラバー邸より望む
グラバー邸は長崎湾を見渡す風光明媚な場所。
先生の描かれたのは、お屋敷から見て右方向の長崎市中心部あたりでしょうか。
長崎が、海に面しながらも坂の街であることがよく分かる絶景です。
◆カステラ福砂屋本店
長崎といえば、カステラ♪
甘党でもいらっしゃる先生がこのお店を描いたのは、なるほど!って感じです(^_^)
ちなみに福砂屋は、創業1624年!
500年近く続く老舗中の老舗だそうです(@@)
◆軍艦島第2竪坑
軍艦島の作品といえば、その全景を描いた影絵がよく知られていますが、
実は先生は上陸も果たしており、島内の様子もスケッチに納めていらっしゃいます。
間近から描かれた様子には、やはり圧倒的な迫力を感じますね。
<大分県>
◆荒城の月
竹田市の岡城址は、「荒城の月」の作曲の際に瀧廉太郎がモデルにしたといいます。
この作品は軍艦島とは趣きを異にしながらも、
藤城先生の描く、もう1つの"廃墟の美”。
ただ抒情的で潤いのある分、こちらの方には救いがあるように感じます(^^;)
<熊本県>
◆熊本城デッサン
コピー防止の刻印の入った画像で恐縮ですが、
これは図録などにも載っていない熊本城。
くまモンとこびとの登場する、影絵バージョンとは違うアングルからの1枚です。
◆くまモン
藤城先生の大のお気に入りキャラクター、くまモン♡
なんと3枚もの影絵に登場しています!
ここではそんなくまモンの、
先生の手から生まれる瞬間のレアなショットをご紹介しておきます。
これは、おそらく「万田坑」の作品に登場しているくまモンだと思います(^_^)
<宮崎県>
◆雲海
幾重にも重なる山々と果てしない雲海の、どこか神々しささえ感じる風景。
写実のみに徹した珍しい影絵でもあるのですが、
この作品も図録などには載っておらず、
宮崎展などの影絵展会場で見ることができたのみです(涙)
◆雷光と雲海と太陽
上の作品の発展バージョンでしょうか。
宮崎の山中で出逢った光景にインスピレーションを得て作られたものと思われます。
なお、実際の作品には「光と影」と描かれているのですが、
図録のページの境目に「と」の字が挟み込まれてしまっていて、
ご覧のような画像になってしまいましたm(_ _)m
<福岡県「番外編」の番外編>
再び福岡に戻り、
まずは過去記事でご紹介した「木うそ」のエピソードのおさらいから始めます。
この「木うそ」は太宰府天満宮のお神事に使われるものですが・・・
なんと、藤城先生がそれを買い求め絵付けをされたとのこと!
そこで先生の「木うそ」画像を探し回ったのですがどうしても見つからず、
大騒ぎの末にようやく発見されたのがこちら。
このキャプチャ画像の○で囲った部分です。
ズームアップしてみましょう!
画質が悪くて大変恐縮ですが、
特徴としては、胴体部分に「大宰府」の文字がないこと。
そして実際に拝見したファンの方のお話によると、
「顔の横にクルクルと幾重にも木が薄く削られて丸まっている部分の色付けは同じく赤と緑なのですが、そのひとつひとつの絵付けの形はなんと私にはハートに見えるのです!」
とのことです(*^o^*)
先生の絵付けした貴重な「木うそ」、
いつかどこかでぜひ拝見してみたいものですね(♡_♡)
ちなみに「木うそ」は影絵にも描き込まれています。
しかも3羽!
◆博多山笠清道
それがこの作品。
最上部に3羽ともいます。
(1羽は凧のような形状)
・・・番外編、いかがでしたでしょうか?
当初120点程をご紹介する予定だったものが、結局は180点を超えてしまい、
藤城先生の作品数の多さに改めて圧倒されながら過ごした楽しい1ヶ月間でした。
僕がまだ見つけられないでいるものを含めれば、
おそらく200点を軽く超える数になるでしょう。
これからも新たな発見があるごとに、その作品を追加してゆくつもりでいます。
この度は番外編シリーズ全6回をご覧いただき、
本当にどうもありがとうございましたm(_ _)m
なお末筆ながら、
藤城先生の絵付けした木うその映像と、3羽の木うそが描かれた作品の情報は、
総小判さんから教えていただきました。
また先生の絵付けした木うそ画像の在りかにつきましては、
総小判さんのほか、はーちゃんとファンクラブの友人にもお願いし、
方々を当たっていただきました。
お三方ともに、今回はお忙しいところお手数をお掛けしてしまい、
本当にどうもありがとうございましたm(_ _)m
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◆過去記事
:「長崎五島列島教会図」
:お城めぐり(鶴ヶ城プロジェクションマッピングにちなんで)
:まさかの くまモン!!(影絵展 in 熊本)
:「木うそ」のエピソード